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【新連載】在庫計画のマニュアル処理からのDX②~ビジネスの数値化(機械メーカー編)~

シンクロン・ジャパン 落合 克人)

前号でお伝えした通り、ビジネスの数値化は現在の業務の流れや業績の状況を、客観的、かつ合理的に把握する為の基本的作業です。

保守部品ビジネスに特化して見れば、自社の業績把握の為に売上金額や収益の数値が重要であるのと同時に、お客様の満足度と自社のパフォーマンスの測定の為に、部品供給のサービスレベル(即納率)の把握が重要であるとお考えの企業様は多いと思います。

ここから、さらに、どの様な情報をどう扱えば良いのかを、逆引きして考えて参りましょう。

まず実務としては、いつ需要が発生するか判らない保守部品を、自社の在庫量を過剰に増やす事なく、最適なタイミングで、必要とされる場所に、必要とされる数量を全部揃えて、適切な価格でお届けする事が何よりも重要な作業となります。

そして、これを確実に実践する為には、なるべく早く、かつ正確に末端の実需情報を吸い上げて、部品の調達先からお客様の手に渡るまでに構築されたサプライチェーンを通じて、それぞれのプロセスを可視化して効率的に部品の流通を管理するしかありません。

その為に必要となる情報が、実際に流れる部品の基本情報(品番、名称、対象製品、売行き、内外製区分、調達先、調達原価、調達リードタイム、販売価格等)、保管する倉庫の情報(倉庫の場所、カバーエリア、各倉庫の部品在庫数量、在庫金額、在庫回転率、部品毎の入出庫の必要時間等)、そして、発生する需要情報(顧客名称、受注番号、受注数量、受注日時等)です。

何よりも注意すべきなのは、部品はお客様に供給するだけではなく、供給した分を的確に補充する事が必要となることです。

ですので、実際の販売情報に基づいて将来的な需要の予測をするのと同時に、各部品の安全在庫を計算し、部品の調達リードタイムも加味した上で補充計画を倉庫毎に作って行かなければなりません。

さて、ここで、弊社から読者の皆様にあらためてご質問です。

・在庫状況、調達状況等々を、現状どのように把握していらっしゃいますか?

・将来的な需要の予測を、どのように計算していらっしゃいますか?

・需要が減少していく中で余剰になってきている部品を、どうやって見つけ出しますか?

・設計変更が発生した部品の新旧の切り替えを、どのようにしていらっしゃいますか?

・海外の販社からドカ注が入った際に、国内の部品供給をどのように対応していますか?

保守部品の実務は、全く読む事ができない将来のことを想定しながら、多品種の部品を効率的に捌いて行かなければなりません。

また、その際に、考えもよらなかった突発的な事象に、迅速に対応しなければならない事もあります。

そんな時に、臨機応変、かつ最良の選択をする為には、現在の部品ビジネスの状況を的確に数値で把握するしかありません。

本号ではそれらの数値を、必要性も含めて上述の文章内でご紹介して参りましたが、判り易く一覧に纏めたものを、あらためて次号でお知らせいたします。

引き続き、ご期待いただけましたら幸いです。

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